続編「耐震リフォーム達人フォーラム」アドンバンスコース講習へ行ってきました。 |
前回「耐震リフォーム達人フォーラム」の記事を書きましたが、今回はその講習の続編、耐震補強の実技に向けた勉強会です。 主に評点1に届かない建物が多く存在する旧耐震基準である昭和58年5月31日以前の建物をメインとして考えた耐震補強計画の 実技演習なのですが、今回はその方法を質疑応答を繰り返しながら勉強していく講習です。
耐震改修って壁を壊して筋交い入れたりするんだよね?というのが一般的なイメージだとおもいますが、 実際は耐震補強は筋交いだけではありませんし、金物や構造用合板や認定を受けた商品をうまく組み合わせて補強を行います。 それぞれの金物や構造用合板、認定工法に定められた耐力の数値があり、 例えば家全体に本来必要な耐力が100キロニュートン必要であって、今ある耐力が60キロニュートンだったら、 足りない40キロニュートンをバランスよく足す必要があります。 今は床や天井を壊さないで補強できる工法や商品を選べるようになったので、1件1件の事情に合わせて 何をどう選び組み合わせるのがが大きなキーとなります。 金物のみで補強する方法もありますよ。
同じ建物でも、耐震補強の仕方や補強材料、配置の仕方は何通りもあり、選び方ひとつで費用や、工期が変わってくるので、 住み手の希望を聞きながらどういう補強が一番ベストなのかを考える必要があるのです。
古い住宅の耐震改修は空き家ばかりではありません。 住みながらの改修を前提とした時、何が問題になってくるかを第一に考えた場合、 プライバシーの問題、工期の問題、使い勝手の問題。工事中の生活範囲。 共同住宅であれば、住み手に負担を強いない外部からの補修や、空き部屋のみを使って の建物全体の補強など、様々な事を考慮しなければいけません。
🙄1週間程度の工事ならまだ生活してても我慢できますが、2週間もかかると精神的な負担はかなりもの。 ↓ 可能であればできるだけ短く!
🙄和室の一角に耐力壁をしたいけれど長押がなくなるなんて嫌。 ↓ 長押があっても補強できるタイプのものに。
🙄天井や床を壊すのは嫌だなあ。部屋が暗くならない? ↓ 天井や床を壊さないタイプのものに。光が透過するタイプのものもあります。
🙄あっちもこっちも工事したらすむ部屋なくなっちゃうよ。使ってない子供部屋とか納戸とかで補強できたら。 ↓ 可能な範囲を模索します。
🙄補強はしたいけれど費用はなるべくかけたくない。 ↓ 補助金制度を使い、自己負担額内に予算が収まるか、また収まらない場合 評点0.3→をせめて評点0.7程度にあげるだけでも現状補強するか。
等々、色々と制限が出てきます。 費用が安くても設置個所や工期が長くなってもいけませんし、 耐力の高い材料を使って設置個所を少なくしても、全体のバランスが悪くならないようにしなくてはいけませんし、 出来るだけ元の意匠を壊さないようにしなければいけませんし、 考える事はたくさんあります。
何通りか計算してみて この補強案と工期と予算ならできるかな。という着地点をさがしていきます。 予算は実際工務店さんの協力も大きいのですが。
ファイトー!
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